今日は、ある女子大生の不条理な体験に関するお話です。
広州のニュースサイト「南都網」の記事です。
今日の見出し
キーワードは2つです。
「饭局」 「被淘汰」
さてどういうことでしょうか。
「饭局」(飯局)
「会食」「宴会」のことです。
「被淘汰」
「淘汰される」「不合格になる」。
簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。
「进」 「進」
「业」 「業」
「终」 「終」
「极」 「極」
「试」 「試」
「饭」 「飯」
では、見出しの中身をみていきましょう。
「女大学生进企业终极面试:饭局未喝白酒被淘汰」
「女子大学生の企業最終面接 宴会で白酒のまず不合格に」
「进企业」(進企業)は「企業に入る」。
「终极面试」(終局面試)は、「最終面接」。
「未喝」は、「飲まない」。
さて、はじめに断っておきますが、この女子大生は「女子」だから面接に不合格になったわけではないということです。どうやらあくまで白酒を飲まなかったから……。
この企業というのは有名な通信関係の大企業だということです。600人の学生が応募した就職試験で、筆記を突破し、一次面接、二次面接、三次面接を優秀な成績で突破し、最後の7人に残った女子大生が、四次面接後の直後の昼食会で出された白酒を飲まなかったために、不合格になったというお話です。
企業で予定されていたポストは営業職で、面接ではそれを想定したさまざまな難問が出題され、それを潜り抜けてきただその女子大生でした。しかし、親から「女の子が白酒を飲むのは賛成できない」と言われていたのと、飲みたくなかったので「むかし、胃炎を患ったことがあって白酒は飲めないんです」。うまく断ったはずだったのですが……。
待てど暮らせど連絡が来ないので自分から問い合わせると「営業職は酒の席も多い仕事なので、白酒は飲まないわけにはいかないのです。あなたには向いてないと思う」と言われてしまったのです。
不合格の理由はともかく、日本では、学生が問い合わせてもなんで不合格になったか「お答えいたしません」というのが普通なので、説明してくれるということにちょっと驚いてしまいました。そういう率直さというか、妙にもったいつけないと透明さは、中国のいいところなのかもしれません。
不合格の理由はともかく、日本では、学生が問い合わせてもなんで不合格になったか「お答えいたしません」というのが普通なので、説明してくれるということにちょっと驚いてしまいました。そういう率直さというか、妙にもったいつけないと透明さは、中国のいいところなのかもしれません。
ところで、この記事のなかで印象的なのが、件の昼食の場面では、7人の学生がそれぞれ漫才やコントをやって場を盛り上げたり、歌をうたったりとまるで接待の予行演習のような状態で、それを中国の学生が一生懸命やるようすが描かれていてちょっと驚いてしまいました。彼らはそういうことはしないものだと思っていたので。
さらに、女子大生が白酒を理由に落とされたことがわかった後、学生寮でそれでも飲むべきか飲まざるべきか大議論が巻き起こったこと。「体を壊してまで会社に尽くすことはない」という女の子がいる一方で、やっぱり「そのくらいはしないと」という雰囲気も濃厚なのです。不合格になった本人も、「次回からはもっと柔軟」に対応して、「宴会の作法」を考えて「場がしらけないようにしたい」と言っていて、やはりそれだけ就職活動が厳しいのだろうなと思わずにいられませんでした。
記事では最後に専門家がアドバイスを与えています。
たとえ飲めなくても断り方には技術があるし、飲まなくてもサービスに徹するなど立ち回る方法はいろいろある。とにかく相手の気分を損ねないようにうまくやることを考えておくことだ……。
日本でもこんな感じなんでしょうか?
がんばれ就活生……。