だいたいわかるぞ中国語

まったくのシロウトでも漢字を知ってりゃここまでわかる!!毎日のニュースを“眺めて”だいたいわかるようになろう!

宗教

中国語のニュースを見ていてよく思うんです。漢字が読める日本人なら、中国語の知識が豊富じゃなくても基本的なことさえ抑えれば、たいていの文章の大意はつかめるんじゃ? 

現代中国の事情がみえてくるニュースを楽しく読みながら、なんとなく少しずつ中国語がわかるようになる!?文法とかそういうことはとりあえず考えないで、ニュースを“眺めて”みませんか? 

信心か、それともお金か?

今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。

今日は、中国ではなくお隣の北朝鮮のお話です。

ニュースポータルサイト「網易」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「允许」 「供佛」

なにが話題になっているかはなんとなくわかりますよね。

「允许」(允許)
「許す」「許可する」という意味です。

「供佛」
「仏を祭る」「仏に備える」という意味です。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「鲜」 「鮮」
「开」 「開」
「许」 「許」
「众」 「衆」
「观」 「観」
「庙」 「廟」
「进」 「進」
「动」 「動」

では、見出しの中身を見ていきましょう。

「朝鲜开始允许一般民众参观寺庙 进行供佛活动」
「北朝鮮で一般民衆に寺院参観の許可を開始 仏を祭る」
「朝鲜」(朝鮮)「北朝鮮」の意味です。
「寺庙」(寺廟)「寺院」「寺社」の意味。
「进行」(進行)「行う」という意味。

元来、共産主義というのは宗教の存在を許さない体制です。中国では革命真っ最中のころ、さまざまな宗教施設や遺跡が破壊されたりしました。最近は随分事情が変わっていますけれども。

一方で、同じ共産国である北朝鮮では、これまでずっと宗教活動を完全に禁止してきました。ところが、最近になってその姿勢に変化が現れたというのです。

寺院や寺社の文化的財産を保護するため、遺跡の補修予算を確保するために、民衆が寺院を訪れたり、仏を祭ったりお供えをしたりすることを許可することになった、というのです。

北朝鮮から中国に最近来た人に取材したようですが、その人によれば寺院で仏を祭ることができるのは、寺院に寄付ができる人だけ。お金を出せない人は、寺院を訪問することはできるけれど、すぐ帰らなくちゃいけないのだとか。

そんな中、平壌の地位の高い幹部やその家族は相当な額を寄付しているんだそうで、平壌近郊の有名な寺院、龍岳山法雲庵などではしばしばえらい人の姿がみられるそうです。
ある人によれば、法雲庵を訪れる人のお賽銭は一般には500北朝鮮ウォン(約375円)なのだけれども、幹部やその家族だと10倍の5000北朝鮮ウォンだったりするそうです。もちろん、たくさんお金を出した人がお経をあげてもらえたりするのに対して、お賽銭が少ない場合は自分で勝手にお参りをして帰るしかない……不公平じゃないかと記事は言っています。

いや、日本でももちろんお金たくさん出したほうがいろいろやってもらえるし、お札だのお守りだの、お金さえだせば何でも手に入るんですどね。そこをおかしいと思う感覚だけは共産主義的なのでしょうか?

中国にしろ、北朝鮮にしろ、とっくの昔にどこにも平等なんてないんでしょうが……。

夏だ!出家しよう!?

今日の見出しはちょっと長いです。

中国共産党上海市委員会の機関紙「解放日報」のニュースサイトに掲載されていた記事です。

今日の見出し

キーワードはふたつです。

「90后」 「网瘾」

ひとつはもうすっかりメジャーになっている言葉かもしれませんが。

「90后」
「90年代生まれ」の人たちのことで「ジウリンホウ」と発音します。80年代生まれの人たちは「80后」(バーリンホウ)と呼ばれます。

「网瘾」(網瘾)
「ネット依存症」「瘾」はやまいだれに「隠」と書き、「中毒」「癖になること」「夢中になる」という意味になります。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。といってもあんまりないのですが。

「网」 「網」
「备」 「備」

見出しの意味を見ていきましょう。

「浙江慈恩寺“短期出家”吸引“90后”, 有人来戒网瘾有人来静心备考」
「浙江慈恩寺『短期出家』が『90后』に人気、目的はネット中毒治療や試験のために心を静めに」
「吸引」注意や関心を「吸い寄せる」「魅了する」といった意味で、中国語ではゴミなどを吸引するというような意味では使われません。
「戒」はここでは(中毒を)「断つ」「やめる」という意味です。
「备考」(備考)は、「試験の準備をする」

浙江省天台山、白雲山の上にある慈恩寺では、2006年から不定期に「短期出家」のコースを設けて参加者を受け入れていたそうなのですが、今年6月末に参加者を募集したところ、なんと千人以上の希望者があったそうで。お寺側ではそんなに受け入れることはできないということで、結局今回の短期出家コースは開講を延期するらしいのです。

いまさらかもしれませんが、中国では、共産党の国になった1949年以降、宗教が全面的に否定された時代がしばらく続きました。その時代、あちこちで仏像が破壊されたり、仏を描いた壁画がメチャクチャにされたりしました。でもその後、「共産党の指導のもと」で、ある程度の宗教活動は許容されるようになっています。お寺と大学が共同で主催する、お金持ちを対象にした高額の「宗教と哲学コース」的なものが開かれたりもします。
もちろんどういった団体でも、党から「有害」だと認定され徹底的に叩かれるのですが。

で、この「出家」コースなのですが、参加費は完全無料で、参加者は修行中、俗世から離れ、毎日朝早くから読経や肉体労働、「慈恩体操」による鍛錬などを行うのだそうです。

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食事をするボランティアの人たち

募集内容が載ったページを見つけました。期間は3ヵ月、6ヵ月、1年、2年から選べるそうで、男性は7歳以上、60歳以下、女性は18歳以上、60歳以下(髪をおろす必要はないそうです)で健康で伝染病や重い病気を持っていない人で……と書いてあります。なんで女性は18歳以上なのか知りたいところですが。

さて、今回の出家希望者で目を引いたのが、そのなかに「90后」の若者たちが交じっていたことでした。じつは、「とにかく出家したいんだ!」とコース開講以前に無理矢理押しかけてきた参加者がいて、それが全部で9人。開講までのあいだお寺でボランティアをやるらしいのですが、9人のうち4人は90后の若者だったそうです。社会に出て世間の荒波にもまれ、心の平安を取り戻したい……という大人たちに交じって、まだ荒波も何も知らない、インターネット世代で超現実主義だと考えられてきた90后が出家だなんて!
 
しかし、それぞれに異なる悩みがあるようで、1人は「俺もジャック・マーになれる!」なんて身の程知らずのことを考えてしまう欲望が大きすぎる自分をどうにかするために、ある人はネット依存症と強迫観念症を直すためにやってきたといいます。また、大学を卒業はしたけれど、どういう仕事に就くか決められずに大学院入試を決心したという人は、試験のための勉強を始めるまえに心を整えておきたいとか……。

ほんとうは、恋の悩みとかじゃないんですかね。

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日没を待つ日々のなかで

日本では猛暑が続いていますが、中国ではたびたび大きな地震に見舞われている四川で大雨が降り、山崩れなどでかなり被害が出ているようです。

大自然は容赦ないです。それはある意味仕方ないことかもしれないけど、被害が少しでも小さくて済むよう祈るばかりです。

しかし今日はそんな中国からちょっと離れて選んでみました。

ポータルサイト「網易」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「土耳其」 「斋月节」

最近、日本では関連ニュースが減っているのでしょうか?

「土耳其」
「トルコ」。日本語では、漢字で書き表すときは「土耳古」と書くようです。辞書を見て初めて知ったのですが(汗)。

「斋月节」(齋月節)
「ラマダン」。イスラム歴の9月のことで、日中は断食することで知られています。ちなみに、辞書をひいてみると、日本語の「齋」の字には「(神仏をまつる前に)飲食をつつしんで身を清めること」と書かれています。また、「とき」と読んで「僧に供する食事」も意味します。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「众」 「衆」
「斋」 「齋」
「节」 「節」
「边」 「辺」
「议」 「議」

では、見出しの意味をみてみましょう。

「土耳其数千民众斋月节街边大吃大喝 以抗议政府」
「トルコの数千の民衆がラマダンに道ばたで大いに飲み食いして政府に抗議」
「大吃大喝」「吃」「食べる」「喝」「飲む」「大いに食べ、大いに飲む」ということで、「食べ放題飲み放題」とか「大盤振る舞い(する)」という意味にもなります。

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食べたり飲んだりしながら、ちゃんとスローガンは叫ぶのです
写真をクリックするとスライドショーのページが開きます


エジプトのクーデター騒ぎにかき消されて、トルコのデモは少しかすんでいるような気がします。デモのきっかけになった公園の開発計画は棚上げになったはずですが、まだまだデモは続いているようです。ラマダンに入ってますます勢い盛んといった感じなのでしょうか?

大相撲の大砂嵐もラマダンのなかがんばっていますが、ラマダンのあいだは日中、食事どころか唾液も飲んではいけないと聞いています。その分、夜になると1日分を食べようとするので太っちゃう人が多いのだとか。

ところで、イスラム教徒は中国にもたくさんいます。中国語でイスラム教は「回教」あるいは「伊斯兰教」(伊斯蘭教)、「清真教」と呼ばれています。北京の街中などでは、看板には「清真」の文字が躍るイスラム教徒向けの料理の店がたくさんあります。

中国人は一般に豚肉が大好きですが、イスラム教徒にとって豚は御法度です。「清真」のレストランの多くは中で食事ができて、テイクアウトもしているのですが、お肉は羊や牛で、豚を売っていないのはもちろん、ラードを使った食品もありません。ちなみに、スイーツもおいしいです。

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ゆーず

【仕事】文章を書くこと。考えること。
【特技】中国語。翻訳できます。
【特徴】中国でながいこと暮らしていた。
【出身】くまモンの熊本県。

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