今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。
今日は、簡体字ではなく台湾の繁体字の見出しをみてみましょう。
台湾の「自由時報」のサイトの記事です。
今日の見出し
キーワードは2つです。
「塗鴉」 「偶像」
どちらも「文字そのものはわかるけど…」って感じですよね。
「塗鴉」
「落書き」という意味です。「鴉(からす)」を「塗る」で「落書き」とは……。ちなみに大陸でもこの言葉は使います。簡体字では「涂鸦」と書きます。
「偶像」
「アイドル」という意味です。アイドルが出演しているドラマなどはよく「偶像劇」なんて呼ばれていたりします。
繁体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。
「學」 「学」
「變」 「変」
「國」 「国」
では、見出しの中身を見てみましょう。
「南韓學生課本塗鴉 神筆下古人變韓國偶像」
「韓国の学生が教科書に落書き 神業で昔の人が韓国のアイドルに」
「南韓」は「韓国」のことです。台湾ではこのように表現されることが多いです。これに対して「北朝鮮」は「北韓」と表記されることがあります。なお、同じ見出しの後ろで「韓国」が出てくるように、「韓国」でも通じます。
「課本」は「教科書」のことです。大陸でも「课本」といいます。
「神筆」は「筆がうまい」ということです。「神」に「神業である」「すばらしい」というような意味があります。
「古人」は「昔の人」。
よくある教科書の落書きです。日本でもよくネットのネタになるやつ。
おそらくはどんな国の学生にも一度はこの落書きに手を染めた経験があるのではないかっていうくらいポピュラーないたずらです。
しかし、こうして取り上げられる落書きはたいていがとても上手いからこそ取り上げられるわけで。確かにすごいんですね。元の絵と比べると、よくこういう風にしたよねと。
この記事では、韓国の学生たちの高度な「整形」技術が称賛されています。
指摘されているのは、フェイスラインが完璧なV字型になっていること、みんなきれいな二重瞼に書きかえられていること、それから鼻も整形されている……とか。
顔だけでなく、ファッションまで詳細に書き込んであるあたりスゴイとしか言いようがありません。
顔だけでなく、ファッションまで詳細に書き込んであるあたりスゴイとしか言いようがありません。
下の写真は、日本でも世界史の教科書には必ず出てくるジャン=ジャック・ルソー。これは、韓国の人気ドラマに出てくる「ド教授」に書きかえられていると注釈がついています。うーん、キム・スヒョンにはあんまり似てないと思うなあ。むしろ、日本のタレントのJOYに似てる!?というより、ルソーは書きかえなくても充分イケメンじゃないかな……。
こちらは1930年の朝鮮の若者たちらしいのですが、落書きでまるで修学旅行の記念写真みたいになってますね。こちらも服装まで今風に……。さすがです。
とはいえ、いくら韓国でも、必ずしも美しくするだけが落書きじゃないんでしょうが…。