今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。
今日は、中国の国際的戦略に関するお話です。
北京の朝刊紙「新京報」のニュースサイトの記事です。
今日の見出し
キーワードは2つです。
「非洲」 「高速铁路网」
なんの話かわかりますか? ひとつめは場所関連の言葉です。
「非洲」
「アフリカ」です。
「高速铁路网」
「高速鉄道網」という意味です。
簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。
「愿」 「願」
「实」 「実」
「现」 「現」
「铁」 「鉄」
「网」 「網」
「梦」 「夢」
では、見出しの中身を見てみましょう。
「中国愿助非洲实现高速铁路网梦想」
「中国はアフリカの高速鉄道網を実現したいという夢への援助を望んでいる」
「愿」は「愿意」という形で使われることが多いですが、「~したいと思う」「希望する」「~する気がある」という意味です。
「梦想」(夢想)は「渇望する」「望む」ということで、「夢」のことです。
年明け早々、中国の外務大臣にあたる外交部長、王毅さんがアフリカを訪問し、ケニアでこのようなことを言った、というのが今日のニュースです。
記者会見では記者から「なぜ中国はアフリカの鉄道、道路、航空事業の建設に協力的なのか」という質問が出たとか。王毅さんは「中国のケニアやその他のアフリカ諸国への協力は、発展途上国同士の互いに利益が生まれるような相互協力関係だ」と答えています。
AU(アフリカ連合)のンコサザナ・クラリス・ドラミニ=ズマ委員長は「アフリカ人には夢があります。高速鉄道ですべてのアフリカ国家の首都を繋ぐことです」と述べています。この夢を中国が叶えましょうというのが、先の王毅さんの発言なのです。
昨年5月に李克強首相がケニアを訪れた際には、すでにモンバサ―ナイロビ間を結ぶ鉄道建設について合意がなされています。これは内陸にあるケニアの首都ナイロビを海に面したモンバサの港と結ぶというもので、38億ドルが投じられる予定だそうです。そしてゆくゆくはタンザニアやウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、南スーダンなど東アフリカの6か国を繋ぐものになる予定なのだとか。
アフリカ大陸での中国の影響力はますます大きくなりそうですね。
アフリカを鉄道で旅することができる時代は、そう遠くないかも……。