だいたいわかるぞ中国語

まったくのシロウトでも漢字を知ってりゃここまでわかる!!毎日のニュースを“眺めて”だいたいわかるようになろう!

労働

中国語のニュースを見ていてよく思うんです。漢字が読める日本人なら、中国語の知識が豊富じゃなくても基本的なことさえ抑えれば、たいていの文章の大意はつかめるんじゃ? 

現代中国の事情がみえてくるニュースを楽しく読みながら、なんとなく少しずつ中国語がわかるようになる!?文法とかそういうことはとりあえず考えないで、ニュースを“眺めて”みませんか? 

台風が来た時の決まりが変わります。

今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。

今日は、中国のお話ですが、この先日本でもある程度の基準が必要なんじゃないかな~という内容です。

広州のニュースサイト「南都網」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「单位」 「上班」

どちらも結構基本的な単語なのですが、普段から中国語に接していないとピンとこない言葉です。

「单位」(単位)
「勤務先」「機関」「部門」という意味です。
もちろん日本語でいうところの長さや重さといったものの「単位」という意味もあります。ですから、文脈でどちらの方の意味かを判断しないといけないんですね。

「上班」
「出勤(する)」という意味です。
ちなみに「上班」の逆は「下班」「退勤する」という意味になります。「班」「勤務する」とか「職場」といった意味があるんですね。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「风」 「風」
「预」 「預」
「应」 「応」
「迟」 「遅」

では、見出しの中身を見てみましょう。

「台风黄色预警 单位应推迟上班或停工」
「台風の警戒予報イエローで企業は出勤時間を遅らせるか休業にすることに」
「预警」は災害予報とでもいうべきもの。中国ではその危険度によって危険度が低いほうからブルー、イエロー、オレンジ、レッドとなっています。ちなみに日本では「注意報」「警報」「特別警報」の三段階になっていますね。
「应」(応)はここでは「~べきである」「~なければならない」という意味です。
「推迟」(推遅)「遅らせる」「延期する」という意味です。
「停工」「仕事を止める」「操業を停止する」という意味。「工作」「仕事」「働く」という意味になります。

台風の被害を受けやすい香港や台湾では、以前からある程度の警報が出ると早々に学校や職場が休みになったり、出勤時間を遅らせたり、早引けしたりすることになっています。台風に被害そのものがどのくらいになるかは予想しづらいところがありますが、危険な状況になる可能性があるほどの強度なのか、いつごろやってきていつごろ通り過ぎるのかといったところはある程度予測がつくからです。

実際に、香港や台湾にもブランチのある会社で働いていた時は、「明日は台風の接近で午前中は業務を停止するので前もってお知らせします」なんてメールが前日のうちに届いたりしていました。

それで今日の記事ですが、中国でも広東省では2015年3月から、イエローの予報が出たら、学校や職場はその間はすべてをストップすることにするように決まった、というお話です。

じつは今年から学校に関しては、台風の襲来に備えて授業を取りやめたりしていたようなのですが、子供たちが学校に行かないのに親は仕事に行くとなるといろいろ不都合が生じていたのだそうです。職場も休みになることで、今後そうした問題は基本的にはなくなるとしています。

記事には書いてないんですが、いまこうした政策がとられるというのは、以前に比べて台風の被害が大きくなっているからなんでしょうかね?説明欲しかったなあ。

日本でも、台風のみならず木枯らしや春一番が台風なみに吹き荒れたりして交通機関が止まったりする事態が出ることがありますが、交通機関が止まることへの文句がでたって話は聞くけれど、外出禁止とか基本的には学校や職場を閉めることにするとか、そういう話は聞かない気がします。

予測可能な気象事象を前に、ある程度、思い切って人間の流れを止めたりすることはあってしかるべきなんじゃないかなあと思うのですが。

これさえあれば!という域には達してない?

今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。

今日は、そうかこういうケースもあるんだと思ったお話があったので選んでみました。

ニュースポータルサイト「網易」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「绿卡」 「护照」

どっちもわりに基本的な言葉です。たぶん……。

「绿卡」(緑卡)
「グリーンカード」です。

「护照」(護照)
「パスポート」です。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「绿」 「緑」
「护」 「護」
「记」 「記」

では、見出しの中身を見ていきましょう。

「中国"绿卡"被指不如护照好用 持卡登记被疑造假」
「不如~」「~に及ばない」「~のほうがいい」という意味。
「好用」「使いやすい」
「登记」(登記)「登記する」「登録する」「チェックインする」という意味。
「造假」「偽物を作ること」「偽物」の意味。

これはおそらく、中国がまだ本腰を入れて外国人の定住者を受け入れていないということなんじゃないかと思います。

現在でも、中国に一定期間以上一定額以上を投資している人、学者など特別な技能を持っている人など、中国でも条件付きではありますが(まあ、どこの国でもそうですが)、外国人でも永住権を申請することができます。もちろん、容易ではありませんが。

容易ならざることだけに、永住権を持っているということは中国に対して並々ならぬ思いを抱いている人であり、中国への貢献度が高く、それを中国側に認知された人物だということなのです。有名企業の幹部が申請しても、なかなか取れないものなのです。

しかし、そうやって取得したグリーンカードも、目下のところ実際の生活の上ではあまり役に立っていないといいます。中国では銀行の窓口で預金を引き出す時には身分証の提示を求められますが、その際にグリーンカードを提出したところ「パスポートを持ってきて欲しい」と言われてしまったとか。また、ホテルにチェックインする際にも、やはり「パスポートを」と言われたそうです。グリーンカードがあまりに希少なため、見たことがないという人がほとんどであり、「偽物なんじゃ!?」と疑われてしまうのです。

ちなみにネットで探してみたところ、中国のグリーンカードはこのようなものらしいです。中国の人たちが持っている身分証と同じようなカードなんですね、多分。年平均200枚余りが発行されているそうです。

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こちらはもちろんサンプルです!

「徳国」のこれからの働き方

今日は、日本がいちばん変えられないでいることに関するお話です。

ニュースポータルサイト「網易」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「方便」 「照顾」

ウソじゃないですよ。

「方便」
「便利」「便宜を図る」という意味です。

「照顾」(照顧)
「世話をする」「面倒を見る」という意味です。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「德」 「徳」
「计」 「計」
「划」 「劃(画)」
「缩」 「縮」
「职」 「職」
「时」 「時」
「间」 「間」
「顾」 「顧」

では、見出しの中身を見ていきましょう。

「德国计划缩短在职父母工作时间 方便其照顾小孩」
「ドイツが在職父母の労働時間短縮を計画 子供の世話のため」
「德国」「ドイツ」です。
「工作时间」(工作時間)「労働時間」です。
「小孩」「子供」です。

ドイツの「ボルト」誌によると、ドイツの連邦家庭大臣が、子供がいて仕事をしている父親、母親の労働時間を1週間あたり32時間に短縮すべきだとの提言をした、というのです。関係部門では、労働時間は1週間35時間が妥当だろうとしているようです。

1週間35時間というと、1日当たり7時間労働ということになります。さらに32時間にすると、あるいは週3日は6時間で帰るって感じでしょうか。1日6.4時間働くってことでしょうか……。

ただし、労働時間を短くした分、お給料は少し減らさざるを得ないよねということではあるようです。そして、この件にかんして各党の間にそれほど大きな意見の相違はない……つまり、早晩この案は実現するということかもしれません。

ドイツはEUの経済を支えている国の一つですが、労働時間に対する制限が大きい国でもあります。昔、ドイツで働いていた知り合いから、残業したら上司に注意されたって話を聞いたことがあります。それでも、必要な生産性を上げているというのはすごいことです。

中国がかなり豊かになり始めた10年ほど前、中国人の知り合いがこんなことを行っていました。

「週末に急ぎの入札があって、それが大きな儲け話でも、ヨーロッパ人は『週末があるから』と断ってきたりする。土日も関係ない俺たちが寝ずにプランを作って参加して落札するわけよ。あいつら、バカじゃないか?土日に働けばいいことなのに」

当時の私は複雑な気持ちで、曖昧に返事をしてごまかしたきがします。

何のために生きるのか、何のために稼ぐのか、いちばん何を大切にするのか、したいのか。

多分、中国の人たちも、そして日本人も、まだまだそのあたりの問いにじっくり向き合うところには到達していないのかもしれません。

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プロフィール

ゆーず

【仕事】文章を書くこと。考えること。
【特技】中国語。翻訳できます。
【特徴】中国でながいこと暮らしていた。
【出身】くまモンの熊本県。

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