だいたいわかるぞ中国語

まったくのシロウトでも漢字を知ってりゃここまでわかる!!毎日のニュースを“眺めて”だいたいわかるようになろう!

軍事

中国語のニュースを見ていてよく思うんです。漢字が読める日本人なら、中国語の知識が豊富じゃなくても基本的なことさえ抑えれば、たいていの文章の大意はつかめるんじゃ? 

現代中国の事情がみえてくるニュースを楽しく読みながら、なんとなく少しずつ中国語がわかるようになる!?文法とかそういうことはとりあえず考えないで、ニュースを“眺めて”みませんか? 

120年前のあの出来事に…

今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。

今日は、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、日本と中国とで違う歴史的出来事の名称……のお話です。

広州のニュースサイト「南都網」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「祭奠」 「甲午战争」

意味はだいたいわかるかもしれませんが……。

「祭奠」
「弔いをする」「供養をする」という意味です。
「祭」は日本語では「フェスティバル」的意味を持ちますが、中国語では「祀る」「弔いをする」という意味になります。
また、「奠」「供え物をして死者を祭る」という意味で、お葬式のお花の真ん中にこの字が書かれていたり、やはり供養の際の提灯などにこの文字が書かれていたりします。時代劇などでも、葬儀の会場の真正面に大きくこの文字が書かれているのを見たことがあります。

「甲午战争」(甲午戦争)
「日清戦争」という意味です。日清戦争が起こったのは1894年。いまから120年前です。十干十二支では甲子(きのえね)から癸亥(みずのとい)まで60の組み合わせができ、つまり60年に1度同じ組み合わせの年がまわってくることになります。1984年から120年目の今年は、日清戦争が起こった年と同じ甲午(きのえうま)の年なのです。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「军」 「軍」
「舰」 「艦」
「艇」 「艇」
「齐」 「斉」
「鸣」 「鳴」
「战」 「戦」
「将」 「将」

では、見出しの中身を見てみましょう。

「全国军港舰艇齐鸣汽笛 祭奠甲午战争捐躯将士」
「全国の軍港で艦艇が一斉に汽笛を鳴らし 日清戦争に身命を捧げた将兵を供養」
「齐鸣」(斉鳴)「一斉に鳴らす」「一斉に鳴く」
「捐躯」「身命を捧げる」
「将士」「将兵」

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日清戦争から120年目の今年、中国では「牢记历史,勿忘国耻;强军习武,报效祖国;经略海洋,维护海权;建设海军,梦圆中华」(歴史をしっかりと記憶に刻み、国恥を忘れず、軍を強化し、祖国に報い、海洋を維持し、海洋権益を守り、海軍を建設し、中華の夢を実現する)なんてことが改めてしきりと言われております。

今回の式典もその一環でしょう。27日、山東省威海の劉公島海域で、日清戦争の中で命を落とした将兵の供養が行われたのです。

……調べたところどうやら120年間で初めて行われた供養の式典みたいなんですが、もし違ったらどなたか情報ください。

そりゃ言い過ぎですって。でもなあ…

今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。

今日は、ほんのちょっと「なるほどなあ」とまるで鏡を見ているような脱力感を覚えるお話です。

ニュースポータルサイト「網易」の記事です。

今日の見出し

キーワードは3つです。

「军报」 「若」 「极可能」

漢字さえわかればそう問題ないって感じでしょうか?

「军报」(軍報)
「解放軍報」のことです。「解放軍報」とは、中央軍事委員会の機関紙です。読者は主に軍人さんですが、こういう風にニュースポータルサイトに引用されることもよくあるんですね。引用されれば、誰の目にだってとまります。ちなみに新聞の題字かの毛沢東氏の手によるものだそうです。

「若」
「もし」。日本語でも「若し」って書いたりするんですよね。中国語を学ぶようになって初めて意識しました。お恥ずかしい……。

「极可能」(極可能)
「~となる可能性が極めて高い」というようなニュアンスです。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「军」 「軍」
「报」 「報」
「战」 「戦」
「车」 「車」
「发」 「発」
「动」 「動」
「极」 「極」
「给」 「給」
「带」 「帯」
「灾」 「災」
「难」 「難」

では、見出しの中身を見ていきましょう。

「军报:日本战车若再发动 极可能给世界带灾难」
「解放軍報 日本という名の戦車が再び動き出せば 世界に災難をもたらす可能性が極めて高い」
「给~」(給)「~に与える」「~してやる」
「带」(帯)「巻き添えにする」、あるいは元々は「帯来」だとすると「もたらす」という意味になります。

原文は、こんな書き出しで始まります。

「靖国参拝から歴史を改竄した教科書、“武器輸出三原則”の撤廃、軍事力増強をほしいままにし、日本の安倍晋三は、再び首相の座についてからというもの、右翼化の道を一直線に進んでいる。今回安倍は、集団自衛権の禁を解く仕事に手をつけている」

全体の内容はおおよそ「集団自衛権の問題が解決するということは、日本は法的に対外的な戦争ができるようになることを意味しており、自衛隊は普通の軍隊となんら変わらない存在になる。日本と言うこのかつてアジアを踏みにじった戦車がまた動き出せば、再びアジアの人々ひいては世界の人々に災難をもたらす可能性が極めて高い」というようなもの。

これまで日本は憲法9条に基づいてすべての戦争を放棄してきたからこそ平和を保ち、発展もできたのだと、過去がいかに素晴らしかったかを語り、今回の集団自衛権の解釈改憲によって日本はすぐにでも戦争を始めるかのように書き立てます。

しかも、リンクを開いてみていただければ一目瞭然というか、どこの写真かわからないのですがこの際載せてしまいます。ごめんなさい。この記事、冒頭にこの写真がドカンとついているのです。

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この写真、中国のネットメディアでの使用率がやたら高いです。 
まあ、あちらの立場で考えると使いたくなる気持ちもわからないではないですが、いかにも過ぎます。 
(追記:この写真はニコニコ超会議2に安倍首相が参加したときに撮られたものでした! )

そりゃあ、これを読んだ中国の人たちは日本が今すぐ攻めてくるような気分になるよなあと思うわけです。

ちなみに、この記事を書いた人は、解放軍国際関係学院国際安全研究センターの主任さんだそうです。どのくらいまで本気で書いているのか、いくらか煽ろうって気持ちがあるのか、非常に興味があるところです。第一、この見出しですからね。

もちろん、集団自衛権の問題に関しては、日本人もいくらかは同じように、すべて安倍さんの思う通りにことが進んだら、一体どうなってしまうのかと多かれ少なかれ不安に思っていたりすることろではあるんですけれども。

翻ってみて、日本の報道はどうでしょうか? 嫌中報道は売れるとばかりに、飛ばしているメディアが多かったような気もしますが。

ここまでではないかもしれませんが、でも結局のところどちらも大差ないような気もするんですよね。後は、読む側がどのくらい自分で考えるかってところでしょうか。

ちなみに、中国ではメディアはまあだいたいイコール政府、党だったりするので、読者のみなさんは話半分に読む習慣ができています。

もちろん、「信じたい」ニュースに関してはどうかわかりませんが。

「これからはすべて国産になる」そうです。

今日もなんとなく中国語を眺めて、なんとなくわかりましょう。

今日は、中国で発表されたある重大な決定についてのお話です。

香港の中国語テレビ局「フェニックステレビ」のニュースサイトの記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「订购」 「合资车」

何が話題になっているのか、なんとなくわかるでしょうか?

「订购」(訂購)
「注文する」「発注する」「購入の契約をする」ということです。

「合资车」(合資車)
「合弁会社の車」です。つまり、合弁の自動車メーカーの車ということです。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「军」 「軍」
「务」 「務」
「车」 「車」
「订」 「訂」
「购」 「購」
「实」 「実」
「现」 「現」
「产」 「産」
「资」 「資」
「步」 「歩」

では、見出しの中身を見ていきましょう。

「解放军公务用车订购全面实现国产 合资车将逐步退出」
「人民解放軍の公用車発注は全面国産車を実現 合弁企業の車は次第に廃止に」
「公务用车」(公務用車)「公用車」のことです。
「逐步」(逐歩)「一歩一歩」「次第に」の意味。
「退出」「退出する」「離れる」という意味です。

とまあ、そういうことらしいんですよ。

car
納品された紅旗だそうです。 

中国の国産車といえば、確かに「紅旗」とか「中華」とかが有名でした。かつては。ただ、そのあたりはあんまり見かけない気がしていました。最近は、国産なら国有企業ではなくて「吉利」とか「奇瑞」とか? とはいえ、変化が早い中国ですからね。それとも、国産車がんばれっていう政策なんでしょうか、これは。

人民解放軍の公用車を買ったりする部門の名前、「総装車船軍代局」というそうなのですが、その総装車船……局が今後購入する公用車は国産車とするぜ、入札で決めるぜというので、つい先日、そうやって決まった最初の紅旗H7乗用車千台余りが納品されたんだそうです。

かなり昔ですが、1999年にマカオが返還されたときの模様を記録した動画を、中国人の当時の同級生と一緒に見たことがあります。中国側から、人民解放軍とか中国の偉い人とかがしずしずと車でマカオに入っていくんですが、その時、かなり目立つ位置というかかなり中心に映っていた車がアウディだったんです。偉い人が乗ってたんだと思います。

私は素朴に疑問を感じて。「ねえ、こういう場面で国産車じゃなくていいの?」って尋ねたんですが、友人は「なに言ってんの。あれも国産車じゃないの」と……。ええええっ!?

たしかに、もともと中国で生産をする海外の自動車メーカーはすべて現地の国有企業と合弁でやることが条件でしたから、GMの車であろうと、シトロエンであろうと、トヨタやホンダであろうと、ある意味“国産車”だったのです。

しかし今回は、名実ともに中国生粋のメーカーの車でなければ買わないということになってきたということです。かなり減らしたとはいえ公用車が多い国ですから(なかでも軍の車はほかの車とナンバープレートも違うのですぐ見分けがつきます)、ひょっとしたら中国の道路の風景がこれから先、かなり変わることになるんでしょうか。

ちなみに記事によれば、軍の公用車にする車ですから、不良品ゼロを目指して、総装車船軍代局は、メーカーと共同で生産段階から軍の要求にあうよう厳しい監視と管理を行って生産したのだそうです。

「枚」で数えます

今日は、昨夜の衝撃的なニュースを取り上げようと思います。

ニュースポータルサイト「網易」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「韩媒」 「4枚」

わかるような、わからないような?

「韩媒」(韓媒)
「韓国メディア」の意味です。

「4枚」
「4発」「枚」は中国語では爆弾、ミサイルなどを数える助数詞に使います。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「韩」 「韓」
「鲜」 「鮮」
「发」 「発」
「导」 「導」
「弹」 「弾」

では、見出しの中身をみてみましょう。

「韩媒:朝鲜发射4枚短程导弹 射程200公里以上」
「韓国メディア 北朝鮮が短距離ミサイル4発を発射 射程200㎞以上」
「朝鲜」(朝鮮)「北朝鮮」の意味です。
「短程导弹」(短程導弾)は、「短距離ミサイル」
「公里」「キロメートル」

記事の中身はもうそのまんまあの件で、しかもロイター(路透社)の記事の引用から入っています。

改めて紹介するのもなんなので、特徴的な単語をご紹介します。

飞毛腿弹道导弹(飛毛腿弾道導弾) 短距離弾道ミサイル「スカッド」

スカッドというのはもともと「速く動く」ことだとか。「飛毛腿」は中国語で「韋駄天」「足のはやい人」という意味なんだそうです。

韋駄天ミサイルなんですねえ……。

北朝鮮はまだミサイル発射についてなんらコメントしてないらしいのですが、ともかく、妙な事態に発展することだけは避けてもらいたいものです。

そのとき、どう身を守りますか?

今日は、最近中国で行われた大規模な訓練についてのお話です。

広州の「南都網」の記事です。

今日の見出し

キーワードは2つです。

「防毒面具」 「袭击」

こうやって見るとそれほど難しいことはありません。

「防毒面具」
「防毒マスク」です。「面具」「マスク」「覆面」の意味です。

「袭击」(襲撃)
「襲撃する」「不意打ちする」の意味です。

簡体字と日本語の漢字を見比べてみましょう。

「广」 「広」
「练」 「練」
「躲」 「躱」
「袭」 「襲」
「击」 「撃」

では、見出しの内容をみていきましょう。

「广州7500人防空大演练 戴防毒面具躲避化学袭击」
「広州で7500人が防空大訓練 防毒マスクをつけ化学攻撃を避ける」
「演练」(演練)「訓練」の意味です。
「戴」「(マスクを)つける」以外に、「(帽子を)かぶる」「(眼鏡を)かける」など、「身に着ける」という意味を持っています。
「躲避」(躱避)は、「避ける」「逃げる」という意味。

シリアで化学兵器が使われた事実は、いまだに世界に重くのしかかっているわけですが、過去にサリン事件があったにもかかわらず、日本にいると遠い土地の出来事だけにそれほど実感がわかない人も多いのではないかと思います。

しかし、中国ではこんな訓練もやっているんですね。

訓練はこんな風に行われたそうです。午前11時半に空襲警報が鳴って、広州の12の区と市の住民はすみやかに分散して隠れ、広州鉄道職業技術学院の1500人の学生は、分散して鉄道修理に取り掛かった……んだそうです。参加人数は7500人以上に上ったとか。

mask
マスクだけじゃなくて防護服っぽいものも着ていますね。着るのに訓練いるんじゃないのかな 

広場に伏せてガスマスクをかぶる訓練をしたのは鉄道学院の学生さんたち。彼らは訓練車両を使って乗客の避難や壊れた線路の修復、電線の復旧などに取り組み、一般の人たちも地下駐車場に逃げ込んだりしたそうです。ただ、地下駐車場に入ったら入口を閉めないとガスが侵入してくる可能性があるのに、今回はそこはできなかったのだそうで。

また、「予報警報」「空襲警報」「解除警報」と警報は3種類あるのですが、多くの市民が「聞き分けができなかった」という感想を持ったそうで、今後の課題になりそうです。

それにしても、私が中国に行ったころは、中国のテレビではよく日本の小学校などの避難訓練を撮影した映像などが紹介され、訓練の大切さを訴えたりしたものでした。中国の学校には軍事訓練以外、避難訓練の類はもともとなかったようなのです。

それが、中国でも大きな震災があったりして避難訓練が行われるようになったことは知っていましたが、今回、こういう市民を巻き込んだ軍事避難訓練が、それも大都市広州で行われたというのはとても驚きでした。

でも、私などは記事を読んでも「自分ならどこへ逃げればいいのだろう」っていうところでまったくぴんと来ないんです。「分散」して「逃げて隠れる」ことが必要なわけですが、例えば空襲があるとなったとき、どう身を守ればより安全が確保できるのか、なんの知識もありません。……というか、自分たちが外部からの攻撃を受けるなんて、まったく想像すらしたことがありませんでしたし。

こういうのを平和ボケというんでしょうか。

ていうか、中国は広州が攻撃される場面を想定しているってこと?

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プロフィール

ゆーず

【仕事】文章を書くこと。考えること。
【特技】中国語。翻訳できます。
【特徴】中国でながいこと暮らしていた。
【出身】くまモンの熊本県。

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